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渡辺崋山の「商人八訓」

2023.11.04

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こんにちは。だいぶ秋めいてきましたね。僕はこれくらいから初冬にかけての季節が好きで、なぜかワクワクしてしまいます。

以前勤めていた税理士事務所に飾られている江戸時代の蘭学者渡辺崋山の「商人八訓」が書かれた額縁がかざってありました。

僕はこの「商人八訓」に書かれた文が好きで、日本人の商人が持つべき美徳がよく表れたものだと思いますので、ご紹介したいと思います。

「商人八訓」

一  先ず朝は、召使いより早く起きよ
二  十両の客より百文の客を大切にせよ
三  買い手が気に入らず、返しに来たならば、売る時より丁寧にせよ
四  繁盛するに従って、益々倹約せよ
五  小遣いは一文より記せ
六  開店のときを忘れるな
七  同商売が近所にできたら、懇意を厚くして互いに勤めよ
八  出店を開いたら、三ヵ年は食料を送れ

どうでしょう、江戸時代の一般的な商店を対象にしたような文章ではありますが、現代にも通用する言葉ばかりではないでしょうか。

私も商人の一人ですが、成長するにしたがって失いそうな大切な考え方を戒めてくれる良い言葉ばかりだと思います。

「十両の客より百文の客を大切にせよ」あたりは、本来は「分け隔てなく」とすべきところですが、大げさな表現をすることであえて律するポイントを強調させているようです(三、四なんかも同じ考え方ですね)。

五の「小遣いは一文より記せ」なんかは帳簿の大切さを表現しているわけですが、この一文を八訓のなかに入れるあたり会計のセンスも感じますね。

ともかく、商売で大切なことは「真面目に」「信頼されるように」「初心を忘れず」「いやしくならず」頑張ることだと教えてもらえる商人八訓、これからも都度都度思い出していきたいと思います。