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誰でもわかる!消費税の納税の仕組み−インボイス制度に向けてのはじめの一歩−

2023.08.24

税務・会計

誰でもわかる!消費税の納税の仕組み−インボイス制度に向けてのはじめの一歩−

 

今年度の税制改正で最も商売をされる方々に影響を与えたのはインボイス制度ですよね。

とはいえ、一般の消費者の方にとっては消費税は「ものを買ったときに払うもの」程度の認識の方も多い(ほとんど?)かと思います。

そんな中で今年10月よりスタートするインボイス制度を理解するために、今日は「誰でもわかる!消費税の納税の仕組み」と題して消費税の仕組みをお伝えしていこうと思います。

 

まず消費税の申告(原則課税)で、事業者(≒商売をする人)が納付する税額の求めるための数式をごくごく簡単にあらわすと、

 

納める消費税=もらった消費税−はらった消費税

 

という算式になります。つまり、消費税をもらう事業者(商売をする人)は金銭的には、もらった消費税が右から左へ流れていくということになります(ただし、一定の事業者は簡易課税制度という売上に一定の割合を乗じて納税額を算出したり、免税事業者はそもそも納税する義務がなかったりすることもありますが、ここでは説明を省きます)。  

さきほど述べた式が消費税の計算方法なのですが、具体的にはどのように計算していくのでしょう。

おもちゃ屋さんを例に考えてみましょう。仮に1日20万円を売り上げるお店があった場合、年に300日営業するとした場合、年間の売り上げは

1日あたりの売上200,000円×300日=60,000,000円(年間売上)

ということになります。そして、この売上にかかる消費税(厳密には地方消費税も含まれますがわかりやすい表現としています)は10%なので実際は、

売上60,000,000円+消費税6,000,000円=66,000,000円

この金額が事業者の手元に残ることになります。

本来ですと、このもらった消費税の600万円が納付する消費税ということになりますが、おもちゃ屋さんの場合は、一般的に仕入れたおもちゃを販売することが多いので、問屋さんなどからの仕入れが発生します。さらに、お店の家賃や、光熱費などにも消費税がかかります。仮に以下の通りだったとします。

仕入30,000,000円+消費税3,000,000円=33,000,000円

家賃3,000,000円+消費税300,000円=3,300,000円

光熱費2,000,000円+消費税200,000円=2,200,000円

これらの消費税だけに着目すると、合計で350万円の消費税を事業者が払ったことになります。

これを最初の式に当てはめると、600万円−350万円=250万円となり、この事業者は250万円の消費税を国に納めることとなります。

 

ご存知の方にとっては当たり前のような話を細かく説明してしまいましたが、この基本の仕組みをしっかり理解しておかないと、インボイス制度の例外的な非課税や不課税、軽減税率などの理解ができなくなるので、なるべくわかりやすく説明してみました。

次回は、「インボイス制度って何のこと?対応しないとどうなるの?」として、インボイス制度の基本的な仕組みについて書いていこうと思います。