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インボイス制度って何のこと?対応しないとどうなるの?−インボイス制度に向けてのはじめの一歩−

2023.08.26

税務・会計

前回に引き続き、今回も令和5年10月よりスタートするインボイス制度に向けて中小規模の事業者の方に向けてお話をしていきたいと思います。

前回は具体的な計算例を交えて、消費税の計算方法について説明しました。そこで収める消費税については以下のように計算されると申し上げました。

納める消費税=もらった消費税−はらった消費税

仮に、実際にもらった消費税を1,000,000円、はらった消費税を600,000円と考えてみましょう。上の算式にあてはめれば、当然納める消費税は400,000円となります。

インボイス制度は事業者にとってこの算式の「はらった消費税」に関わる制度です。インボイス(invoice)は日本語にすると、「送り状、明細書、請求書」と訳されますが、インボイス制度でいうインボイスは「適格請求書」と呼ばれています。「適格」つまり、決められた形式にのっとった請求書という意味です。

そして、決められた形式の請求書を保存しておかないと、実際に払ったとしても、消費税計算上「はらった消費税」として認められず、消費税を多く払うこととなるのです(この「はらった消費税」として「もらった消費税」から差し引くことを、専門的には「仕入税額控除」といいます)。

いわゆるインボイス制度にのっとった請求書には要件があり、以下の通りとなります。

 ・請求書を出す事業者の名前と登録番号(いわゆるインボイスナンバー)

 ・取引の年月日

 ・取引の内容(売ったもの、提供したサービス)

 ・税率ごと(8%・10%)の取引金額の合計とその適用税率

 ・税率ごとの消費税の金額

 ・請求書渡す相手の名称(不特定多数を相手にする事業者など一部事業者を除く)

このいわゆる6要件と呼ばれる要件をすべて満たした請求書が「適格請求書」ということになります。

そして、この6要件を満たさない請求書により仕入税額控除を行うことはできません。

冒頭の例において「はらった消費税」を600,000円としましたが、これらの請求書がすべてインボイス制度の形式を整えてなければ、消費税の計算上、仕入税額控除は600,000円→0となり、もらった消費税1,000,000円を丸々納付しなければなりません。

また、この適格請求書は「保存すること」も必要であり、税務調査で保存が確認されていない場合には、修正申告を行う必要になります。

請求書の記載する要件も多く、税金も多額に支払うリスクもあるインボイス制度はすべての事業者にとって「やっかい」な制度であることには間違いありません。

しっかりとした対策をしたうえで、修正申告のリスクを避けていきたいですね。