僕が税理士を目指した理由(コラム)

(本カテゴリの記事は税務・会計の解説ではなく、杉浦個人のコラムです。お読みいただいても税務・会計上のお役には立ちませんので、あらかじめご了承ください。笑)

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「なんで税理士目指したんですか?」

結構聞かれる質問である。まず、最初に言い訳しておくと、今は税理士という仕事に誇りを持っているし、お客さんたちのために尽くしたい、という思いは冗談抜きに強く、生まれ変わってもこの仕事をしたい、と思うくらい大好きな仕事である。だけど、僕がこの世界に飛び込むにいたったのは本当に偶然だったし、くだらない理由だった。

まず、僕は25歳まで「税理士」という職業を知らなかった。その時の僕は茨城で塾講師をしていて、結構楽しくやっていたし、今でも向いていたなと思っている。ただ、その頃は3つ上の姉の結婚が決まりそうになって、両親と姉と家族そろって屋根の下で暮らすというタイミングがなくなりそう、という時期だった。なので、もう一度だけでも子供のころのように家族で暮らそう、と転職を決意した。

塾講師は楽しかったが、昼夜逆転生活だったり、休みがなかなか取れなかったのが不満といえば不満だった。なので「次は事務職をやろう、夕方で帰れる仕事をしよう」と思ったのだ。リクナビネクストという就活サイトを眺めていたときも「事務職」とだけ絞って地元の名古屋の事務職を探していた。その時、実は当時の彼女と電話しながら適当に探していてリクナビの画面をスクロールしながら会社名を読み上げたりして意見をもらっていた。

その際に「〇〇税理士事務所」と読みあげると、「いいじゃん!税理士」と彼女が言った。僕は「税理士ってなに?」と聞いた。彼女から説明を受けたかどうかわからないが、どうもその謎の職業が気になって、翌日茨城にあったブックエースという本屋で「税理士になるには」みたいな本を立ち読みし、「まずは簿記3級を取ろう!」と書いてあったので、その横の棚にあった簿記3級のテキストを買って帰った。

簿記3級を理解するのは難しかった、が、今思い起こすと適当に選んだテキストはわかりにくかったような気がする。どこのテキストか忘れたけど。それでも簿記3級の試験には結構すんなり受かってしまい(今より簡単だったのもある)、そのまま税理士事務所を探して、就職活動をしてしまった、というのがこの世界に入った本当の理由である。

ただ、冒頭のような質問をされたときには「彼女に『いいじゃん、税理士』と言われたので」というのはあまりにみっともないので伝えないようにしている。そして、その彼女には転職後にさっさとフラれており、税理士試験のテキストだけがたんまり残ったというオチもしっかりある。結構辛く、その頃は、山崎まさよしの「One more time, One more chance」という失恋の曲を未練がましく聴いていた。

実際に聞かれたときは、2パターンくらい話を用意していて、「手に職を付けたかった」とか「毎日会社に行きたくなかった」と伝えるようにしている。どっちも大した答えではないが、結構人生を豊かにしてくれている、とも思う。まず「手に職を付けたかった」と思ったのは、当時の時代背景から、食い扶持に困らない、安心に繋がると考えたからだ。つまり、当時はかなり深刻な就職氷河期だったので、もし転職先でクビになったとしても日本全国どこでも仕事できるな、と考えたのだ。塾の講師と税金の計算ができればどこかで就職のクチはあるだろうと思っていたし、実際間違った考えではなく、その点は今でも良い判断をしたと思う。数少ない、過去の自分を褒めてあげたい点である。

そして、「会社に行きたくなかった」というのは僕の小さいころから一貫した褒められない方の夢で、幼児のころは「保育園に行きたくなかった」と思っていて、小学生になってからは「学校に行きたくなかった」とステップアップし、最終的には「会社に行きたくなかった」とポケモンのようにナマケモノが進化したわけである。そして、いつか独立出来たら「会社行かなくて済む!」と思ったのだ。

実際その目標が叶うのは15年先になってしまったし、実際独立してみると、予定がなければ寝坊もできるし、服装も自由だし、楽な面ももちろんあるのだが、サラリーマン時代とは違って、24時間365日仕事のことが気になってしまう。独立したばかりのときは睡眠不足の日も多く、だいぶ参ったものである。誰も対処法を教えてくれないし、気になっていること自体に気づかなかった。それでも念願かなって辿り着いたこの仕事だったので、工夫をしながら少しずつ折り合いをつけられるようにはなってきた。

念願かなって、といったが、ここまでご覧いただいてわかるように元来はナマケモノな性分である。税理士事務所に入ってからもなかなか税理士試験に本腰が入らず、だいぶ苦労することになるのだが、以前趣味で書いていた税理士受験生向けのnoteに詳しく書いたので、興味がある人はあまりいないと思うが、リンク先の拙稿を読んでいただければと思う。

なんで税理士を目指したのか、と考えてみると、やっぱりよくわからないというのが本当のところかもしれない。頑張るけど。

note「ポンコツの受験シーズン」https://note.com/mark51/n/n7b92dd739aa2

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